幸せに成長する歯科・医療経営の種と仕掛け~戦略思考と人間心理(感情理解)の実践的融合~

コラム
2019年07月01日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-27

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。

今回から3回に分けて、
「なぜあなたの想いが届かないのか?~コミュニケーションのレベル合わせ~」
と題して、患者さんやスタッフとの意思疎通を円滑に行うためのポイントをテーマにお話します。
皆さんは患者さんへの治療説明、スタッフへの指導などを行う時に、
自分が言ったことを理解されていないと感じることはありませんか?
いかに良い治療方法や素晴らしい提案を投げかけてみても、
相手との「コミュニケーションのレベル」が合致していなければ、
あなたの想いは相手に届きません。
では、どうすれば相手に自分の想いを届けられるのか?
一緒に考えていきましょう。

【1.思考のレベルを把握する】

人が自分に関する何かを話す時、物事を考える時、
頭の中には「ある種の階層構造」が作られています。
たとえば、スタッフさんが仕事の話をする場合、

・ 私は、○○歯科医院で働いている
・ 私は、歯科治療の介助をしている
・ 私は、SRPをうまく行うことができる
・ 私は、患者さんに気持ち良く治療に通って頂くことが大切だと思っている
・ 私は、みんなの笑顔を守る歯科衛生士である

という言葉が出たとします。

じっくり考えていただくと、各々の発言は、取り扱っているテーマが異なることが
お分かりいただけると思います。
たとえば、「私は、○○歯科医院で働いている」という言葉は、
自分のいる場所、時間といった
”環境(いつ、どこで)”
といったテーマを意識の中心においています。

実は、人間が自分に関係する物事を考え、認識するとき、
脳は上に述べたような「テーマ」を順序立てて情報の整理を行い、
情報の認識、すなわち「自分なりの理解」を行っています。
しかし、人と人がコミュニケーションを取るときに、
お互いに意識している「テーマ」が異なっている、
または順番を飛び越えて理解させようとすることで、
コミュニケーションのギャップが生じるのです。

この「テーマ」と「順番」をコミュニケーションの中で意識的にコントロール
できれば、相手とのコミュニケーションギャップを減らすことが可能です。

[思考のレベルと順番]

レベル1.環境    : いつ・どこで? ・・・ WHERE・WHEN
レベル2.行動    : なにを?    ・・・ WHAT
レベル3.能力    : どのように?  ・・・ HOW
レベル4.信念・価値観: なぜ?     ・・・ WHY
レベル5.自己認識  : だれか?    ・・・ WHO(アイデンティティ)
※ レベル1が下位レベル ⇒ レベル5が上位レベル
※ レベル1に近いほど「客観的(現象的・事実的)」であり、
  レベル5に近いほど「主観的(自分の内面・本質的)」な内容になります。

[先ほどの例の流れ]

環境(五感・機会・状況) : 私は、○○歯科医院で働いている
行動(行為・振る舞い)  : 私は、歯科治療の介助をしている
能力(素質・方向性)   : 私は、SRPをうまく行うことができる
信念・価値観(動機・許可): 私は、患者さんに気持ち良く治療に通って頂くことが大切だと思っている
自己認識(使命・役割)  : 私は、みんなの笑顔を守る歯科衛生士である

上位のレベルの変化は下位のレベルに影響し、必ず何らかの変化を起こします。
逆に下位のレベルの変化は、上位のレベルに影響を与えることもあるかもしれませんが、
必ずしもそうなるとは限りません。
しかし、実際のコミュニケーションの現場においては、各々のテーマ全てを包含して
会話がなされることは少なく、自分も、相手も、どれか1つのテーマに焦点を当てて
話をしていることがほとんどです。
自分が話をしているテーマ(階層レベル)と
相手が話をしているテーマ(階層レベル)が違う場合、なんとなくお互いに
納得できない内容の会話が繰り広げられ、後味の悪いものになってしまいます。

院長先生が、
「もっと患者さんに喜んでもらえる医院にしたい!」
とスタッフさんに熱っぽく語っていても、
「ちゃんと患者さんに挨拶もしているし説明もしているから、できていると思いますよ。」
と淡々と返され、悲しそうにされている光景を目にすることがあります。

これはまさに、
院長先生が”自己認識”のレベルで語っているのに、
スタッフさんが”行動”のレベルで語っているため
コミュニケーションレベルのギャップが生じる典型的な例になります。

次回は、コミュニケーションのレベルの合わせ方について、
お話したいと思います。
どうぞお楽しみに。

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2019年06月01日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-26

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。

さて、連続してお伝えしてきた「キャリブレーション(観察)」の重要性ですが、
今回で最後となります。
まずは前回までのお話を振り返ってみましょう。

当然のことながら、患者さん一人ひとりに個性があり、
無数の個性に自分を合わせることは非常に困難です。
しかし人には、「個性」よ「共通項」が必ず存在しています。
コミュニケーションを意識しはじめた段階では、「共通的なパターン」を認識することで、
しだいに相手の個性をスムーズに理解できるようになります。
日常で簡単にはじめられるのが、感覚器官(五感)の使い方の違いの観察。
頭の中で考えていることや感情の変化は、動作に現れることが知られているからです。

また、コミュニケーションをより円滑にするためには、
一体感とは対極の「不一致のサイン」に気付くことが重要です。

では今回、「キャリブレーション(観察)」の重要性のまとめとして、リソースについてお伝えします。

自分のフレームを超える力 ~キャリブレーション~
【3.自分の選択肢を広げるリソースの宝庫】

観察に意識を向けることで、自分とは異なる様々な物事の捉え方ができること、
また、自分自身にとっての当たり前・常識が、
他の人にとっての異端であり非常識となるということに気づくことがあるかもしれません。

そして、実はそこに個々人が人脈を作り、
自分のリソースを広げられるリソースが眠っていることに気がつけば、
いかに観察を行うことで自分自身に得られるものが増えていくのか
感覚的に分かるようになります。

「人は1人1人が世界遺産」と、ある場面で私は話したことがあるのですが、
まさに人は1人1人が他の人にとっての宝の山でもあります。
それは、あなた自身が他の人にとっての大切な存在であり、
また支援ができる力を持つということも意味します。

他の人に良い影響を与えるためには、自分自身が相手をしっかりと観察し、
相手に伝わる、影響力を与えられるコミュニケーションスキルを身につけることが必要です。

日常の体験の中から、まずは1つ小さな観察の習慣を身につけ、皆さんのリソースを周りの方々を照らす力を高めていただければ幸いです。

次回は、患者さんやスタッフと円滑に意思疎通を行うためのポイントについて、
お話したいと思います。
どうぞお楽しみに。

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2019年05月01日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-25

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
初夏の風が気持ちいい季節となりましたね。
さて前回は、相手の考え方や行動を理解するために観察したい
「体を使った表現」について、ご紹介しました。
今回はコミュニケーションをより円滑にする「一致のサイン」と「不一致のサイン」について、
お話ししましょう。

自分のフレームを超える力 ~キャリブレーション~
【2.一致のサインと不一致のサイン】

人とのコミュニケーションの中では、自分が求めている(求めていた)ものと「なにかが違うな」
という不一致感を感じることがあります。
また、「そうそう!そうなんだよ!」とものすごく満たされた一致感を感じることも
あるでしょう。
コミュニケーションを円滑に進めるための「観察力」を身につける上で、
この「一致のサイン」「不一致のサイン」に気づくことができる能力は非常に大切なものです。

不一致を感じる時は、相手の観察とペーシングが上手くできていない証拠でもあり、
或いは、自分が伝えようとしていることが、本当は自分自身が本当に納得していることではない
場合でもあります。
そして、相手の不一致感をキャッチする観察力は、円滑でクリエイティブな関係でのコミュニケーションを図る上での効果的なスキルとなります。

是非一度、自分自身が他の人、または外の状況と一体感を得た時の経験を思い出して、頭の中でその記憶をもう一度体験してみてください。
そして、自分がある出来事や他の人との関係で葛藤を感じた経験も思い出し、同じように頭の中でイメージしてみましょう。

そこで感じた、視覚・聴覚・身体感覚的な情報を各々書き出し、見比べてみてください。
まずは、あなた自身が、一致のサインではどのような感覚で物事をとらえ、不一致のサインでは
また別のどのような感覚でとらえているのかを知ることで、他者の不一致感を観察できるようになります。

次回は自分の選択肢を広げるリソースについて、
お話したいと思います。
どうぞお楽しみに。

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2019年04月01日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-24

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
春は何かと、新しいことに挑戦したくなる季節ですね。
クリニック経営について、新たな戦略を練られている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

さて今回は、「共通項」である感覚器官(五感)の使い方の違いを観察することで、
その人の世界観を理解するポイントをお伝えします。

自分のフレームを超える力 ~キャリブレーション~
【1.基本的なパターン認識を身につける②】
頭の中で考えていることや感情の変化は、
基本的に体を使った表現に現れることが知られています。
最も観察しやすい変化は、以下です。

・ 姿勢や動作の変化(身振り手振り、体の動き、顔の動き)
・ 表情の変化(目の動き、まばたき、皮膚の色、しわ、こわばりなど)
・ 声のトーンの変化(緊張による震え、重低音、激しい変化など)
・ 声のスピードや間の取り方の変化(早口、ゆっくり、言葉と言葉の間に空白の時間を取るなど)
・ 呼吸の変化(胸の浅い動き・深い動き・停止など)

これら1つ1つの細かい変化を、対面している瞬間に捉えると同時に、
相手の変化や反応から引き起こされる「自分自身の感情や態度、考え方の変化」に気づくことが、観察のスタートラインです。

実は、これらの体を使った表現には「日常でどの感覚をよく使うか」という点で、
コミュニケーションの取り方やものごとの理解・判断の仕方にも特徴が見られるのです。

たとえば、「視覚」を優位に使う人は、
・言葉の端々に「黄色い声援」「明るい未来」などの色彩に関わる言葉や、
  「先が見通せる」「~のように見える」といった視覚的な表現が多々見られる
・何かを記憶する時はイメージにして覚え、それを表現する時には視覚的な表現をする

などの特徴があります。
視覚優位の人のコミュニケーションの特徴としては、見かけ・外見を重視する、イメージを元に
話をするので伝えたい情報量が多くなり早口、気持ちが色んな映像に飛びがちで言葉で出された
指示は記憶に残りにくい、結果がイメージできなければモチベーションがあがらない
などがあります。

「聴覚」を優位に使う人は、
・言葉の端々にも「テンポが悪い」「リズムが合わない」「うるさいファッション」など
 音調や聴覚的な表現が多々見られる
・言葉を大切にして理論的であり、聞いて学習することが得意

などの特徴があります。
聴覚優位の人のコミュニケーションの特徴としては、声の調子や言葉に反応しやすく、電話で
話をするのが好き、雑音があると集中できない、論理的であると同時にウンチクが多い(権威
に弱い)
などがあります。

「身体感覚」を優位に使う人は、
・言葉の端々にも「まったりした空気」「おいしい話」「場が重い」など
 視覚・聴覚以外の感覚的な表現が多々見られる
・体験や体を使うことでものを覚えるのが得意

などの特徴があります。
身体感覚優位の人のコミュニケーションの特徴としては、感触や触れ合いに興味を示しやすい、
声のトーンが低く落ち着いてゆっくり話す、早口でいっぱい話をされると情報を処理しきれない、
1つのことをゆっくりと余裕をもって進めるのが好き
などがあります。

これらは、その時々においての状況や役割によっても変化するため、人間のタイプ分類をするものではありません。
「今現在の情報」として観察し、相手の考え方や行動にペースを合わせることが必要です。

コミュニケーションを意識しはじめた初期段階では、観察できる「共通的なパターン」を認識
することを行い、それが身に着くに従って、相手の個々の個性をスムーズに自分の中で理解できるようになってきます。 

次回のお話では、一致と不一致のサインについて、
お話したいと思います。
どうぞお楽しみに。

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2019年03月01日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-23

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
さて今回は、「自分のフレームを超える力」と題して、キャリブレーション(観察力)
の重要性をテーマにお話します。

前回は、初診患者さん・初対面の方とラポール(信頼関係)を築く上での基本的
なスキルとなる”Like効果”の活用法をお話しました。
自らの枠(フレーム)を一旦手放し、無数にある人の世界観・価値観に
柔軟性を持って自ら入っていくということがラポールの基本的な考え方です。
そのためには、前提として、相手の世界観・価値観を相手の言葉・言葉以外の表情などの
情報から読み取るための「キャリブレーション能力」すなわち、「観察力を高める」
ことが必要になります。
患者さんが、あなた、またはあなたの医院のスタッフに対して好印象をもち、
ファンになってくれている。
そんな姿をイメージしながら読み進めていただければ幸いです。

自分のフレームを超える力 ~キャリブレーション~
【1.基本的なパターン認識を身につける①】

ひと口に「観察」といっても、一体何を、どうすればよいのか?
と考えられる方も多いかと思います。
患者さんも一人ひとり、個性が違います。
そんな無数にある個性に自分を合わせるということが、どれほど難しいことかと
思われることもあるでしょう。

また一方で、「○○さんって寡黙な人だよね」「●●さんは親分肌だ」などと
なんとなく無意識のうちに、人にはある似通った行動傾向や反応の仕方があること
に気づかれている方も多いのではないでしょうか?

人には、「共通項」と「個性」の二面性が必ず存在しています。
人という存在である以上、人間同士、全く同じであることもなければ、
全く違うということもないのです。

たとえば、見る・聞く・感じるといった五感は、人に備わった基本的な共通の特徴です。
一方で、人は1人1人、各々の人生における独自の環境と経験を持って今の自分を形成
し、異なる知識やスキルを持っています。これは一人一人の違いと言えるでしょう。

まず、これからコミュニケーションの力、患者さんへの全人的な医療支援のスキル、
交渉力、人脈力というものを高めていこうとお考えの方には、
はじめに、「共通項」に着目し、相手の世界観を観察するスキルを身につけることが、
他者とのラポール形成を容易にし、更に他人の個性を自分のリソースとして活用する上
での基盤となります。

では、人の世界観の一端を構築する「共通項」とはなにか?
それは、

① 感覚器官(五感)の使い方
② 動機・欲求に対する自分と自分を取り巻く環境への認識

などが挙げられます。

次回のお話では日常で簡単にはじめられる、
その人の世界観を理解するポイントをお話したいと思います。
どうぞお楽しみに。

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2019年02月01日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-22

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
暦の上では春ですが、まだまだ厳しい寒さが続いていますね。

さて、前回は信頼関係(=ラポール)の構築するために現場で実践できる
基本的な行動について、ご紹介しました。

今回は、よりスムーズに信頼関係を築くため、
必要不可欠なスキルについてお話しします。

【3. “Like効果”をより効果的に生み出すために日々の現場で高めるスキル】

実際に、ペーシングのスキルを用いて”Like効果”を活用できるようになるだけで、
対人コミュニケーションの許容度が広がると共に、
初対面の患者さんなどとスムーズに信頼関係を結ぶことができるようになります。

しかし、その質を更に高めるためには、
「相手とのペーシングに必要な相手の変化をいち早く察知する力を身につけること」
が必要になります。

相手の変化に気づく力、すなわち「キャリブレーション(観察力)」です。

観察力というと、見た目の情報にのみ意識が向かいがちですが、実際には相手が発する
全ての情報に対して、五感すべての観察が可能です。

それら全ての感覚を鋭敏に研ぎ澄まし、個を見抜く力がついてはじめて、
自分自身を観察する力、そして、自分と相手が作り出している「場」を観察する
力が養われます。

これらの観察力は、知識として身に付くものではありません。
実際に、日常の中で意識して行動することで磨かれるものです。

観察する力、感じる力が高まることで、それまでには気づくことができなかった
様々な新しい視点を発見する機会も増えることでしょう。

次回のお話では、今日お話したペーシングをより効果的に行うために、
実践の場で高められるキャリブレーション(観察力)について、より具体的にお話
したいと思います。
どうぞお楽しみに。

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2019年01月01日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-21

あけましておめでとうございます。ジョイカレント・河原田喜義です。
本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、前回は相手との関係性が悪くなるのは
「考え方や意見の相違」ではなく、「感情のぶつかり合い」が主な原因で、
ペーシングを効果的に活用すると相手と意見が対立していても
トラブルが避けられることをお伝えしました。

今回は、”ペーシング”を実際どのように行っていくのか、お伝えします。

【2. ”Like効果”を活用したラポール(信頼関係)の構築方法】

ペーシングとはより感覚的にいえば、同調している、味方である、理解してくれそうだ、
波長があうといった感覚を相手に引き起こさせるための反応パターンだともいえます。
そのため、相手に五感で感じられる要素でマッチングを引き起こすことが必要です。

(1)視覚的要素でのペーシング
     ・ 姿勢や態度を合わせる
     ・ 動作を合わせる
     ・ 呼吸や息づかいを合わせる etc

(2)聴覚的要素でのペーシング
     ・ 声のトーン(高・低)(抑揚)を合わせる
     ・ 話すスピードを合わせる
     ・ 言葉そのものや文意を合わせる
     ・ 言葉のアクセントやイントネーションを合わせる etc

(3)感覚的要素でのペーシング
     ・ 動きのリズムやテンポを合わせる
     ・ 温度感を合わせる
     ・ 動く方向や角度を合わせる
     ・ 触る強さや感覚を合わせる
     ・ 相手の強く感じ取りやすい感覚にフォーカスして表現する etc

最も基本的なスキルをいくつかご紹介したいと思います。

■ ミラーリング
相手と動作・姿勢を同じにすることを言います。
ただし、同じ姿勢をとっていることを相手に意識的に気づかれることは
避けなければなりません。
したがって、まずは70%程度「からミラーリングを開始し、
話が盛り上がったタイミングで100%のミラーリングを行うと効果的です。

■ クロスオーバーミラーリング
全く同じミラーリングではなく、相手のうなずき方と自分が持っているペンの動きを合わせるなど、
相手の動作に別の動作のリズムを合わせることも効果的です。

■ リフレクション(反映・反復)
相手の意図に対して理解を示す動作を取ることで、
代表的な手法としては以下のものがあげられます。

(1)相づち
無意識の内に多くの人が会話の中で行っているかと思いますが、
相づちを入れることは自分が相手を受け入れている、最も分かりやすいサインになります。

(2)オウム話法(復唱)
相手の言葉をそのまま自分の会話に盛り込むという方法です。
特に、感情を示す言葉を繰り返すと非常に効果的です。

(3)バックトラック
相手が話した会話の内容全体を要約し確認のように伝えることで、
同調を示す方法です。

まずは、現場でこれらのスキルを実際に使ってみましょう。
これらの基本が十分にできるようになれば、
その他の応用的なスキルが更に活用しやすくなるかと思います。

次回のお話では、よりスムーズに信頼関係を築くために不可欠な
スキルについて、お話します。
どうぞお楽しみに。

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2018年12月01日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-20

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
今年もいよいよ残りわずかとなってしまいました。一年がたつのは本当に早いですね。

さて、前回は「相手と一連のマッチングを行い続けること」=”ペーシング”によって、
あなたという存在が相手に与える影響力が大きくなるとお話ししました。

今回は、相手との関係性が悪くなる「本当の理由」について、お話します。

相手との関係性が悪くなる、例えば喧嘩をした時はよく、
「意見の相違」だと言われますが、
本当の理由は別であることがほとんどです。

たとえば、それを体感するためのロールプレイングとして
「Yes ミスマッチ」「No マッチング」という掛け合いをしてみるとよいかと思います。

例えばあなたが、ゴルフに触れたことがないとしましょう。
そして、相手が「いやぁ、ゴルフって本当に面白いですよね!」
と話しかけてきたとします。

その時に、「Yes ミスマッチ」のパターンで相手に返事をすると、
「ええ、面白そうですよね。(YES)
でも、私はどちらかというとテニスの方が好きなんですよね。(ミスマッチ)」

との内容になります。
相手の立場になると、この返事にどのような印象を持ちますか?

一方、「No マッチング」のパターンで相手に返事を返すとすると、
「私はゴルフに関心がなくテニスばかりしてるんです。(No)
ですが、あなたがとても楽しそうにお話してくださるので、
自分でもゴルフはじめてみたくなりました。(マッチング)」

となります。いかがでしょう?
どちらのが、言われて心地よく感じますか?
おそらく、前者の「Yes ミスマッチ」のパターンでは否定された印象のみが頭の中に残るのに対し、
後者の「No マッチング」のパターンの方では、好印象でかつ、
WIN-WINの場ができるのを感じられるのではないかと思います。

ここで何を示したいかというと、人間関係の悪化の原因は
「考え方や意見の相違」ではなく、
「感情のぶつかり合い」によるものであるということです。

意見が対立する場合であっても、ペーシングを効果的に活用することで、
相手とのラポールが形成可能であるとともに、感情のぶつかり合いによる、
不要なトラブルを避けることができるということも、
非常に大切な視点かと思います。

次回のお話では、マッチングの連続である「ペーシング」を実際どのように行っていくのか、
ご紹介したいと思います。

どうぞお楽しみに。

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2018年11月01日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-19

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
日増しに寒さが身にしみるようになりました。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

さて、前回はどんな人間関係においても「相手との信頼関係が成立している状態」=”ラポール”を形成することが、
スムーズな意思疎通を行うための条件であることをお話ししました。

今回は、ラポールの形成について詳しくご紹介します。

【1. 親近感を与える”Like効果”活用の基本②】

基本的に、人間が情報を取り入れ、蓄積し、整理する方法というのは、
■ 見る
■ 聴く
■ 感じる
■ 味わう
■ 嗅ぐ
といった五感を通して行うことになります。
人がそれぞれの世界観を作り上げていく入口は、遺伝的要素を除けば
まさにこれらの感覚からはじまっているともいえます。

ラポールを形成するということは、
「自分の頭の中を相手の世界観と置き換える」ということではなく、
「自分の頭の中の世界観から一旦離れて、相手の世界観に触れる」ということだと
お考えいただければよいのではないかと私は考えています。

したがって、
「相手の世界観に触れる=相手の情報の受け取り方をモデリング(真似・反芻)する」
ということで、それが可能になるのです。

つまり、簡単に言い変えてしまえば、
「相手の仕草・動作・態度・言葉づかい・ぺースなどに合わせる」ということです。
そうすることによって相手の世界観に触れることができると共に、
相手があなたから受け取る情報は、「自分と似た心地よいもの」となるのです。

ラポールの基本は、相手との「マッチング」にあるといえます。
マッチングとは、自分が外に表して表現できる態度や言葉・行動を
相手が外に表して表現している態度や言葉・行動に合わせることを言います。

この相手の表現方法に、
「ある意図を持って、一連のマッチングを行い続けること」を、
「ペーシング」といいますが、このペーシングこそが、
”Like効果”を生み出す、もっとも基本的な方法になります。 

ここで最後にもう一つ、重要な事柄を付け加えておきます。
自分が相手とペーシングすることによって、
あなたという存在の、相手に与える影響力がどんどん増し、
更には、あなたに対してその影響の効果が返ってくるという
「感情の循環」の中にいることにも気づいていただきたいと思います。

ペーシングは、ともすると独り善がりなものと考えられる場合がありますが、
実はペーシングを行うことによって、
「相手の感情」に影響を与えることができることを
“Like効果”という点で多少なりともご理解いただけたかと思います。

あなたが行うペーシングが、相手の感情に影響を与えることで相手の反応を変え、
相手の反応の変化が、2人が作り出している「場(関係性)」に影響を与え、
「場」の変化があなたのコミュニケーションへも影響を与えてくる。

ペーシングによってラポールが形成され、コミュニケーションが円滑になるのは、
この感情の好循環が作り出されるところに真意があるということを
是非、頭の片隅に置いていただければと思います。

次回のお話では、人間関係が悪化してしまう本当の理由について、ご紹介します。
どうぞお楽しみに。

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2018年10月01日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-18

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
少しずつ秋らしい、さわやかな風を感じる季節となりました。

さて今回は、初診の患者さんとのコミュニケーションにおいて「不安や緊張」
を取り除き、仮の信頼を持って来院された患者さんと「真の信頼」を築くための
基本的な応対スキルをお伝えします。

【1. 親近感を与える“Like効果”活用の基本①】

“Like効果”とは、
「自分と似ているものは、意識的・無意識的に関わらず好意を抱く」
という人間の性質を活用し、コミュニケーションスキルに応用することで
相手との心理的な距離感を近づける作用をいいます。

たとえば、全く知らない人であるにも関わらず、地元や出身校が同じだけで親近感を感じる、
好きな球団が同じだというだけでお酒の場で盛り上がるといった経験はありませんか?

これらの場合、その人の人格や個性よりも前に、まず「自分との共通項目」
に着目して好意を抱き、それに合わせて相手の人格や個性などを、ある意味
勝手に、自分にとって都合のよいように解釈していることが多いものです。

つまり、「似ている」「同じである」「近い」ということは、
それだけで相手との心の距離をグッと縮めてくれる最もシンプルで、
最も強力な信頼関係づくりの要素であると言えるのです。

心理学の分野では、相手とお互いに理解し合えているような心地の良い雰囲気の状態を
「信頼関係が成立している状態」=”ラポール”
と呼びます。

相手とのラポールを形成することが、どのような人間関係においても、
自分の意志を思い通りに伝え、相手の意図もスムーズに受け取るという
意思疎通の基本的な絶対条件となります。

1人1人、違う家庭・違う環境・違う経歴・違う価値観を持つ人間である以上、
ある情報を受け取って、それをどのように解釈・理解するかという「世界観」は
千差万別、無数の方法があるといえます。

私たちは、現実の世界を、つまり「見て・聞いて・感じる情報」を、
本当に起こっている通りに受け取っている訳ではありません。
それぞれの人が過去の経験によって創られた独自の解釈のクセや基準
を用いて、それに見合う内容に調整して、
情報を、つまり現実の世界を理解・記憶しています。

私たちが体験し、理解していることは、現実の世界そのものではなく、
あくまで「記憶と想像」によって自分の頭の中で再解釈された創作物にすぎません。

ラポールを自らの意思で形成するためには、
まず自分の価値観・世界観で捉えた解釈や感覚から離れて、
相手が持つ解釈や感覚を尊重し、
自分から相手の価値観・世界観を味わいに行く所からはじまります。

つまり、無数にある人の価値観・世界観に柔軟性を持ち
自ら入っていくということがラポールの基本的な考え方です。

「そんなことって本当にできるんだろうか…?」

そんな想いが頭をよぎった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、心配はいりません。
とても簡単なことで誰でもそれが可能になります。

次回のお話では、「ラポールの形成」について具体的にどう行うのか、
ご紹介したいと思います。

どうぞお楽しみに。

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