幸せに成長する歯科・医療経営の種と仕掛け~戦略思考と人間心理(感情理解)の実践的融合~

コラム
2018年03月28日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-13

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
ようやく春の足音がきこえてきました。
前回は、選択肢を増やすためには主に3つの方法と2つの環境があるとお話ししました。
どのようなものだったか、まずおさらいしておきましょう。
 
 【方法】  
  1) 内部ソースのリフレーミング
  2) 外部ソースの収集
  3) 行動の結果(反応)を観察する
 【環境】
  4) 問題・制限(制約)を科せられる
  5) 常に一歩先の目標を設定する

3つの方法については前回お話ししましたので、今日は2つの環境についてご説明します。

4)問題・制限(制約)を科せられる
⇒ これは、人間の脳の構造的なことからも言われていることですが、
脳という機能は「問題」や「制限(制約)」を与えられた時にはじめて
   「アイデア」を生み出す構造に脳生理学的にみてなっているということです。
   すなわち、新たな選択肢やアイデアを生み出すためには「問題」や「課題」、
   「質問」が不可欠であるということです。
   逆に、「問題」や「制約(制限)」が全くなければ、アイデアは何一つでてこないということです。
   私たちコンサルタントが数多くのアイデアや知識を吸収できるのも、
   数多くのクライアントの方々から数多くの相談(問題)やそれを解決する上での
   制限(制約)が科せられるからに他なりません。
   ですので、私はクライアントの方にも刺激のない状況になりつつある時には
   敢えて課題をご提示させていただくことがあります。
   第三者から、与えられた「質問」や「課題」によって、そこに携わる人々の
   脳が活性化すると考えるからです。
   人間の脳はなるべく自分のエネルギーを消費したくないと考えているため、
   このような状況を作り出さなければ、脳を使わない状態が続きやすく、
   使わなければ不要なものと見なされ退化するともいわれています。

 5)常に一歩先の目標を設定する
 ⇒ これは、4)の状態を自動的に作り出すための発生装置のようなものです。
   目標が達成されていない状態というのは非常にアンバランスなイメージを生じさせます。
   「目標を達成していない」という「問題」を自らに科すことにつながるのです。
   また、人は安定していない状態を嫌う傾向にあります。
   言い換えれば、安定に向かおうとする傾向があるということです。
   一歩前の目標というのは、今成し遂げられることよりも少し難しい目標のことを指します。
   実は、人はある目標を達成しようとするときには、その到達点に向かう
   「途中の力」が最も力を上手く出し切れるポイントなのです。
   たとえば、空手で分厚い板を割る光景を思い出していただければよいかと思いますが、
   その「板」を割ろうと思うとなかなか割れないそうです。
   しかし、その板の先にある別のものを割ろうと思って手刀を繰り出すと、
   かなり容易に割ることができると聞いたことがあります。
   したがって、この「一歩先の目標」を設定してそこに意識を向けることで、
   より効率的に成果を手にすることができるのです。

いかがでしょうか?
今日は、「戦略のための選択肢を増やす」というテーマでお話ししました。
 
今、あなたが生み出している成果に、今後の選択肢の幅を広げることで、
さらにすばらしい結果をもたらす可能性は十分にあることでしょう。
ぜひ、一つ一つできることを、今この瞬間からはじめていただければ幸いです。

ではまた、次回をお楽しみに。

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2018年02月28日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-12

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
2月は「逃げる」といいますが、年明けから何かと忙しくお過ごしの方が多いことと思います。

あなたのクリニックではどのような広告宣伝の方法を用いていますか。
タウンページと看板しか知らないという方もなかにはいらっしゃるでしょうか。
限られた方法しか知らなければ、それに頼るほかありませんが、より多彩な手法を選択肢として獲得している人は、
手持ちの選択肢の効果を測定し、その中で最も効果的なものに注力することが可能になります。
そうすれば、新規の患者数が変わり、1年単位で業績も各段に変わってしまい、
数年単位で見ると劇的な差異が現れることも珍しくはありません。

医院に限らず戦略的な組織や企業は、必ずといってよいほど、「選択肢を増やす努力」を怠らないものです。
そして、その選択肢から状況に応じて、柔軟性を持って最適な選択を行っているのです。

それでは、選択肢を増やすためにはどのようにすればいいのか?

これには主に、下のような3つの方法と2つの環境があると私は考えています。

 【方法】 
  1) 内部ソースのリフレーミング
  2) 外部ソースの収集
  3) 行動の結果(反応)を観察する
 【環境】
  4) 問題・制限(制約)を科せられる
  5) 常に一歩先の目標を設定する

まず、【方法】についてご説明しましょう。
 1)内部ソースのリフレーミング
 ⇒ 内部ソース、すなわち、「自分自身・自分の医院の資源(強み・弱み)」を
今とは違う別の視点から枠組みを捉え直す(枠組みの再構築:リフレーム)ということです。
光には影があり、影は光が無ければ生まれないように、全ての物事には陰と陽の二面性が存在します。
今、自分自身、または医院の弱みであると考えている部分を、
どのように見方を考えれば(リフレーミングすれば)新たな可能性が見えるかを考えることです。
また、今自分が行おうとしている行動の明確なアウトカムを意識することによって、
感情で形作られた無意識のアウトカムから抜け出すことができます。
それは、選択肢を増やすことにもつながります。

2)外部ソースの収集
⇒ この世の中には、自分以外にさまざまな経験を積んでいる人がたくさんいます。
そして、それらの人から発信される、または発信されずに眠っている貴重な情報がたくさん眠っています。
よくチャンスは目の前にあるいろんなところに転がっているという話を耳にすることがあるかと思いますが、これはまさに外部ソースのことを指しています。
新聞、書籍はもとより、目には直接見えないさまざまな情報ソースに対する価値に気づき、
それを自分の本当に欲するアウトカムのために活かすという視点が、重要な考え方になります。

3)行動の結果(反応)を観察する
⇒ 自分が行った行動の成果(反応)をしっかりと観察し、なぜそのようになったのか、自分自身が意図したものと同じか?
違うのであれば何がどのように違うのかを観察から読み取ることです。
そうすることによって、次に為すべき新たな選択肢が明確に見えてきます。

今日は、選択肢を増やすための3つの方法についてご説明しました。
次回は、それを実践するのに必要な2つの環境についてお話しします。
どうぞお楽しみに。

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2018年01月31日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-11

あけましておめでとうございます。ジョイカレント・河原田喜義です。
新しい年を迎え、今後のクリニック経営の見直しをはかる方もいらっしゃることでしょう。

さて、今日は「戦略のための選択肢を増やす」をテーマにお話ししようと思います。
今年一年を振り返り、自分の皆さんは、今のご自身、または医院の状態についてどのような評価をしていますか?
 「これまで一生懸命やってきたよ!」「まだまだこれからだ理想にはほど遠いな」
 「忙しく過ごしてきたわりには実りが少ないな……」
など、お一人お一人さまざまかと思います。

前回は、望む結果を得るためには、「意識的にアウトカムを明確化する」ことが大切だという話をしました。
また、意識的でないにしても、一つ一つの行動をとる際、どんな些細なものであったとしても、
人は必ず何かしらの「自分にとって望ましいと考えられる意図」を持っているともご説明しました。

このように考えると、最終的な今の状況がどのようなものであれ、
毎日お一人お一人が取られる行動というものは、その一つ一つが意識的または無意識的に、
その時の自分にとってできうる「最高の選択」を常に行っているともいえます。

もしもあなたが常に「最高の選択」を行っているにもかかわらず、今の自分に満足できないことがあるとすればその理由は何なのでしょう?
この答えの一つが「選択肢」にあるということを、今回は皆さんにお話したいのです。

たとえば、「リラックスする方法」について、「タバコを吸う」という選択肢しか頭にない人は、
リラックスという感覚を欲した時には常にタバコを吸うことしかできません。
すると、精神的な安定を求めて行っていたタバコを吸う行動が、
最終的には肺ガンを引き起こし、二度とリラックスという感覚を取り戻すことができなくなる状況に陥る可能性は高くなります。

「リラックス」というアウトカムを求めているにもかかわらず、「二度とリラックスできない状況」をもたらす……。
なんとも皮肉なことですが、同様のことは医院経営においてもさまざまなシーンで行われているものです。
いわゆる対処療法的なノウハウを活用した場合に多くみられます。

しかし、ここで振り返っていただきたいのは、この方にとって「タバコを吸う」という行動は、身体を壊すまでには「最善のリラックス方法」であるということ。
もしも「タバコを吸うということ以上にリラックスできる望ましい選択肢」が他に存在していれば、
将来的に違った結果を生み出すことになったことでしょう。

たとえば、「深呼吸をする」「アロマの香りをかぐ」「音楽を聴く」「温泉に入る」など、
他の選択肢が視点に入り、「タバコを吸う」こと以上に総合的に効果が高いと判断できるようになれば、
将来的に人生そのものが変わるともいえます。

すなわち、「選択肢が増えること」 = 「人生(あるいは経営)が変わること」とも言い換えることができるのです。
次回は、「選択肢を増やす努力」の大切さについてもう少し詳しくお話しします。

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2017年11月29日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-10

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
早いもので、今年も残すところひと月余となりました。

さて前回は、本当に望む結果(=アウトカム)は、ゆっくりとした「1ミリの変化」の積み重ねによって育まれていくという話をしました。
今日はそれをさらに掘り下げていきたいと思います。

今、仮にどのような状況にあったとしても、
「1ミリの変化」を続けることによって、おいしいことは後から必ずやってきます。
生態系は当たり前のようにそのことを成し遂げているように見えますが、
実はいろんな周囲の環境の力を借りて、1つ1つのことを成し遂げています。
土の養分は、数多くの細菌によって作り出され、また数多くの虫や鳥たちが、花から花粉を運んでいきます。
もちろん、桜もそんな協力者たちを尊重して、惜しむことなくなんらかの果実を与えています。
決して、自分ひとりで成長しようとは考えていないのでしょう。

私たちは、自分の目に見えるもの、体感したものからしか学習することはできません。
そのために、いろいろな可能性を制限してしまいがちになります。
アウトカムを成し遂げるための小さな変化は、実は自分が知らないところでもたらされることも多々あります。

ご自身のアウトカムを実現するために必要な客観的な視点と視野を広げるために、 「人」との関わりを広げること。
自分自身のアウトカムがなんなのかを整理するために人と話をすること。
そして、自分の感情の変化を感じられるようになること。
自分のアウトカムを実現するために、他者の協力を仰ぐこと。
そして、他者のアウトカムをサポートすること。

これらは、この「1ミリの変化」を継続して積み重ねる上で最も大切なポイントです。
劇的な変化を期待しない人のところに、劇的な変化が起こる。
より正確に言うならば、「1ミリの変化」の積み重ねを重視し、それを実践してきたところにこそ、劇的な変化が訪れる」といえるのではないでしょうか?

1ミリの変化を重視するアメリカの政財界のトップは、たとえばファッションのコーディネートなどについても必ずプロフェッショナルに指導を仰ぐといいます。
人に依存するのではなく、人に頼ることができる自分になるということは、健全な成長のための大切な発想です。
あなたにとっての今からできる「1ミリの変化」。それはなんですか?

まずは自分ひとりの時間をゆっくりと持ち、15分でもかまわないので
ノートとペンを持って、考えてみてください。

もし行きづまることがあれば、あなたが関係としても能力としても信頼のおける方にその思いをシェアし、意見を求めてみてください。
あなたには見えない何かが得られるかもしれません。
そして、そこからあなたが感じた「小さな変化」を大切にしてください。
そこから、新たな1歩がはじまります。

今日は、「1ミリの変化」が本当に望む結果(アウトカム)につながることをしました。
次回は「選択肢を増やす努力」の大切さをテーマにお話していきたいと思います。
どうぞお楽しみに。

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2017年10月30日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-9

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
日ごとに秋が深まり、紅葉の美しい季節にました。

さて前回は、「自分が本当に望む結果(=アウトカム)は何か?」を常に念頭におき、その状態をキープすることが大事という話をしましたが
そのなかでも特に経営者として意識をしておくことを3つお話しします。

 1) 感情が求める劇的な変化を期待するのではなく、1ミリの変化を重視する

 2) 感情をマネージメントするために、
    「自分 対 自分」「自分 対 他者」のコミュニケーションの質を高める

 3) 一流になるために、「アウトカム」をサポートする
    ネットワーク・環境を整備する

感情だけが作りだしたアウトカムをもとに行動してしまいがちな私たちは、
劇的な変化を期待し、「特効薬」を求めてさまざまなセミナーに出たり、
教材を入手したりというアクションを熱心に繰り返してしまいがちです。

しかし、忘れてはならないのは、あなたの成長はこれまでに得られた経験や成果に支えられているものであり、
一瞬のうちに劇的に変化できるような安っぽいものでは決してないということ。
見えない小さな変化の積み重ねが、大きな変化となって現れることになるのだということです。

劇的な変化を期待して行動を起こそうとする人は、仮に一時的に大きな変化を遂げたとしても、
時間の経過とともに、その変化の量も急速に落ちていくことが多いものです。
これはその劇的な変化の本質が、
「自分で満足や快感を得たい、感じたいと願う変化への期待」であるためです。

感情だけに任せた変化は、いずれその感情の変化(多くの場合は傲慢・怠惰などがもたらすモチベーションの低下)とともに元の状態へと戻る傾向にあります。
一方で、本当に幸せで効果的な変化とは、自分自身で実感できることは、実は少ないものです。
しかし、この変化が起こっていることは、往々にして自分以外の周りの人(外部)から「変ったね」「見違えた」といった変化を示すフィードバックがあることで気づくことができます。
ゆっくりとした変化は自分では気がつきませんが、最も効果が高い変化です。
なぜならば、その変化が自身の「一部」、血となり骨となり肉となっているものだからに他なりません。
このゆっくりとした変化こそが、「1ミリの変化」です。

たとえば、桜の花も長い冬の間を通じ、幹の中でその美しい色をゆっくりゆっくりと育んでいます。
春に花を咲かせるために、夏に地道に葉を広げ、太陽の力や空気中の酸素、大地の水や養分をしっかりと吸収し、
秋・冬を通じてあの淡い色素を作り出して、春、きれいな花を咲かせるための細々とした準備をたくさんしています。
大きな変化のために、1つ1つの細かな変化をしっかりとこなし続けているのです。
きれいな花はその成果の1つにすぎません。

こうしたアウトカムを成し遂げるための小さな変化は、実は周囲から気づかぬうちにもたらされることも多々あります。
自身のアウトカムを実現するためには、 「人」との関わりを通じて、客観的な視点と視野を広げること必要になるのです。

次回は、「1ミリの変化」をアウトカムに発展させる他者との関わりについてお話しします。
どうぞお楽しみに。

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2017年09月22日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-8

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
秋らしいさわやかな気候になってきましたね。

さて、前回は無意識の中で設定されたアウトカムは、感情による曖昧なものが多いこと、
感情はその時の環境・コンディション・受ける刺激などによって変化しがちなこと、
そして感情の変化によって、抽象度の高いアウトカムは簡単に形を変えることをお話ししました。

今回は具体例をひいて、前もってアウトカムを意識しているケースと
感情による曖昧なアウトカムしかもたずに事に臨むケースの違いをご紹介します。

たとえば、奥様との結婚記念日。
お祝いをするために頑張って、素晴らしいと評判のレストランの予約を取ったとします。
もちろん、奥様に喜んでもらって、これまでの労いと幸せをお互いに確認するために。
明確には意図しなかったとしても、これが本来の「アウトカム」です。

仕事があったため、先にレストランに入っていたあなたですが、
時間になってもなかなか奥様が来られません。
5分後、奥様からあなたの携帯電話に、
「友人の悩みごとに付き合っていて1時間ほど遅れるわ」
と連絡が入りました。
その時、あなたはどのように反応しますか?

ある人は、「分かったよ。気を付けてね」と優しく伝えるかもしれません。
また別の人は、「なぜ事前に分かっていることなのに、約束も守れないんだ!
俺のことは大事じゃないのか!」と、奥様にきつく当たってしまうかもしれません。

前者の方は、はじめのアウトカムが明確に意識されている状態なのでしょう。
しかし後者の方は、アウトカムが感情に支配されたままの状態であったといえます。 

もし、「評判のレストランで一緒に食事をする」という行動の「アウトカム」が、
「奥様に喜んでもらう」と明確に動機づけられていたのであれば、
ここに「柔軟性」を持って対処できるようになります。それが前者の方の場合です。
この「柔軟性」という考え方は非常に大切なものです。

逆に、感情によって支配されたアウトカムは、怒りという感情によって
「自分の痛みを相手に伝える」「非難する」というアウトカムに変化し、
現実的に起こる結果も、意図しない方向へと進んでしまう危険性をはらんでいます。

この際にも、「相手に怒りを伝える」というアウトカムは実現されるでしょうが、
得られる結果はそのアウトカムから相手の別の意図を引き出すことになり、
当初望んでいたものと相反することになるでしょう。

喜ばせるはずの行動が、夫婦喧嘩を招いてしまったという「結果」を生じたのは、
感情によって「アウトカム」がブレてしまった結果、
行動がブレてしまったからだと考えることができます。

大切なことは、「自分が本当に望む結果(=アウトカム)は何か?」を常に意識しておくことです。

次回は、そのなかでも特に経営者という立場から意識しておくべきことについてお話しします。
どうぞお楽しみに。

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2017年08月30日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-7

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
夏バテの時期ですが、お元気でお過ごしでしょうか。

前回は「アウトカムの明確化」の重要性についてお話ししました。
アウトカムというのは、ある行動によって導きだしたい結果のことでしたね。
今日は、アウトカムを意識する大切さについてさらに深くお話ししたいと思います。

人は、「自分が欲しいと感じる情報しか記憶できない」構造になっていることをご存じでしょうか。
つまり、今日はこのセミナーを受けてこういう情報を得るんだと前もって意識しておかないと、
同じ話を聞いても、得られる情報量は圧倒的に少なくなってしまうのです。

私自身、数多くのセミナーを受講してきましたが、「つまらない」と感じることもありました。
そういう場合は、、講師の方の力量などがある程度関連しているかもしれませんが、
自分の側に「アウトカムの設定」がなされていないという理由があったことも否めません。

ただ、ここで1つ、知っておいていただきたい大切なことがあります。
それは、「全ての人が取る全ての行動には、
その人にとっての何らかのメリット(肯定的な意図)が必ず存在している」
ということです。

事前にこのような作業を行わずにとった行動にも、しっかりとした意図があります。
人が取る行動には、一つとして無駄なことはありません。
しかし、結果として得られる成果は違ってきます。

では、たとえば先ほどのセミナー参加の例で、アウトカムを設定せずに
セミナーに参加するという時の肯定的な意図、メリットとはなんなのでしょうか?

アウトカムを設定せずに取る行動が持つ多くの肯定的な意図は、具体的な成果ではなく、
「感情面・精神面での充足、あるいは補填(ほてん)」
を求めていることがほとんどです。
意識として明確になっていなくても、無意識の中での「アウトカム」は設定されているものです。

ただ、そのアウトカムの設定内容が
「セミナーに参加することによってすごい情報を手に入れたい」
という漠然としたものであり、今置かれた状況によっての焦りなどがあれば特にですが、
その裏には強力な「自分は頑張っているという感覚を味わいたい」
「これさえやれば大丈夫という安心感を得たい」という
「感情による曖昧なアウトカムが作り上げられている」ことが多いのです。

個人差はありますが、感情はその時の環境・コンディション・受ける刺激などによって簡単に変化します。
すると、この感情の変化によって、抽象度の高いアウトカムは、簡単に形を変えることになります。

はじめにアウトカムが明確に意識されている状態であれば、
ちょっとしたハプニングが起こっても柔軟に対処することができます。
感情に支配された曖昧なアウトカムしかもっていない場合、
ハプニングによって感情が揺れ動き、結果まで意図しない方向へと進んでしまう危険性をはらんでいます。

次回は具体例をひいて、前もってアウトカムを意識しているケースと
感情による曖昧なアウトカムしかもたずに事に臨むケースの違いをご紹介します。
どうぞお楽しみに。

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2017年07月28日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-6

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
いよいよ夏本番。行楽のご予定などお決まりでしょうか?

さて、前回は「経営と幸せの関係」について考察をめぐらせましたが、
今回は「幸せに成長するためのはじめの1歩」をテーマにお話します。

重要なのは、アウトカムの明確化です。
耳慣れない言葉だと思われるかもしれませんが、アウトカムとは、
「自分自身がある行動によって導き出したい結果」という意味です。

医院経営のご相談をお受けする際に、必ずご質問させていただくことがあります。
それは、
「先生は今後どのようになりたいとお考えですか?」
ということについてです。

すると多くの方が、今の課題、今後の不安などについて話してくださいます。
自分がこれから導き出したい結果=アウトカムについての質問であっても、
「今、自分はこういうことで困っている」「こんな課題を抱えている」
という点に意識をフォーカスされている方が大半なのです。

上記のような回答が返ってきた場合、
私はまず、「アウトカムの設定」を一緒にやり直すところからはじめます。

近年、脳生理学や各種心理学の分野で、「アウトカム」の設定の仕方、
つまり、自分の行動を方向づけるための「目標地」の扱い方が注目を集めています。
自己啓発的な観点からだけではなく、
「人間の生命科学としての脳の内部構造の体系化」という観点から、
これがいかに大切なことかということが知られてきたためです。

では、幸せに成長するために、
なぜ「アウトカム」という考え方が大切なのかをまずお話ししましょう。

自分自身が取っている「行動の意味」ということについて、
皆さんはどれくらい真剣に考えたことがありますか?

たとえば、
「セミナーに参加する」
「スタッフと話し合いをする」
「Aという設備に投資をする」 etc…

皆さんが普段、意味ある行動であると漠然と感じながら取っている行動の多くには、
ある大切なことが欠落していることが多いものです。
また、そのことが非常に大きな機会損失(チャンス・ロス)を生み出している可能性があります。
それは何だと思いますか?

その答えは、これから行うことの「具体的な意図」を
実際に「行動に起こす前に明確にしておく」という作業です。

たとえば、先ほどの「セミナーに参加する」という行動であれば、
そのセミナーを受講される前に、
「今日はこのセミナーで○○という成果を得る」と
具体的に紙に書き出しておくという数分間の作業を行うこと。

この作業を行ってから参加する4時間と、行わずに参加する4時間の
「人生の質」には大きな差が生まれます。

事前に得たいものが明確になっている人は、そのセミナー受講中、
今どのような情報が得られていて、何が足りていないのかを考えることができます。

そうすれば、足りないものを補足するために、講師の方に質問を投げかけることや
周囲の人と相談し、意見を聞くこともできると思いませんか?

結果、どのような内容のセミナーであっても
能動的・主体的に求める成果を得やすくなります。

一方、事前にそのような作業を行わずに「セミナーに参加する」という行動を起こした場合は、
非常に受動的な成果しか得られなくなるものです。

アウトカムの明確化の重要性についてご理解いただけたでしょうか。
次号では、アウトカムを意識する大切さについてさらに深くお話しします。
どうぞお楽しみに。

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2017年06月30日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-5

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
雨にぬれた紫陽花がきれいな季節になりました。
さて、売上と幸福感が比例しないのはなぜかという話の続きをしましょう。

単純に「売上の向上=幸せ」と考えて行動してしまうと、陥りがちな罠があります。
たとえば製造業などは、現在、派遣切りの問題で波乱を呼んでいますが、
過去を振り返っても同じような栄枯盛衰を繰り返していることをご存じでしょうか?

売上の伸びが見込めると、その伸びに合わせて設備投資・人材増員を実施し、
最大限の売上を獲得するような行動に出る。そして、需要の急激な低迷が訪れると
ふくらんだ設備投資分の返済、仕事のない従業員への給与支払いに窮する。

これは、以前からずっと見てきた真実でした。また今も実際に社会で起こっていることです。
歯科・医療業界であっても製造業であってもなぜこのような状況を繰り返してしまうのか?
優秀な企業・経営者が、歴史に学ぶ姿勢をもたないとは思えません。
ずっと不思議に感じていました。

しかし実際に自分自身が「経営者」になってみると、その理由が分かったような気がします。
それは、「自分と組織との双方を同時に客観視すること」がいかに難しいことか
という点にあると考えています。
コンサルタントの私から出る言葉としては滑稽に感じられるかもしれませんが、
自分自身に対するコンサルタントを欲しいと感じる瞬間があります。
自分のことというのは、意外と自分自身では盲目になってしまう面があるものなのです。

経営者が一番疎かにしてしまいそうな意外な一面。
それは「自分の本当の幸せについて」なのかもしれません。
「自分自身の幸せ」に対して、それが一体なんなのかを具体的に考えることなく、
売上を目標にすることだけに目線がいくと、精神的な充足感を著しく欠くことになり、
人生の質に悪影響を及ぼすことがある。そんな例はこれまでにもいくつもみてきました。

しかし、自分ひとりでは、この「幸せ」についての答えは見えてこないのではないか
と私は思うのです。

改めて、独立を果たして会社を設立するまでの経緯を振り返ってみると、
いかに自分自身が社会の多くの人・物・仕組みに支えられ、生かされてきたか
ということを強く実感しました。

これまで共に歩んできたクライアントの先生方、共にビジネスを築き上げてきたビジネスパートナー、そして家族、数多くの友人、師と呼べる方々など、
これらの人々からの貴重なサポートとアドバイス、そして何よりこれらの人々と築き上げてきた「人間関係」によって、自分自身の幸せが構築されていることを感じるのです。

このメールマガジンを通じて、さまざまな経営者の想いにふれ、
経営者やその周囲の人々から幸せの輪を広げるための気づきを
少しでも多くお伝えできれば、これほどうれしいことはありません。
仕事人・医療人、そして一人の幸せを求める人間として、
価値ある情報を可能な限りお届けすることこそ、私の使命と心得ています。

次号もどうぞお楽しみに。

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2017年06月02日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-4

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
前回は、医療機関が経営的に成功するためには、ブランディングと永続性のある組織を作るための「単なる対処療法ではない」経営戦略が必要であるという話をしました。

しかし単に戦略を把握するだけでは、実際にはうまく機能しません。
「戦略」を具現化し、成長させるためには「エネルギー」が必要となるからです。
歯科・医療の業界にとってのエネルギー、それは「人」や「組織」に他なりません。

ある院長先生から、
「スタッフは医院にとってのアキレス腱のようなものだ。
鍛えれば早く走れるようになるが、切れてしまえば動きすらとれなくなる」
と伺ったことがあります。
的確なたとえだと感心させられたことを今でもよく覚えています。

また、業績や収益以外のご相談で一番多いのが、
組織内での人間関係や教育、モチベーションといった「人の課題」です。

私は学生時代から心理学に強い興味を持ち、個人的にも学習を続けてきました。
その経験は、経営コンサルタントとして人を見極め、実行力を高める支援の中で
非常に有用であることを実感しています。

そこで、上述した戦略的視点に、人というエネルギーを最大限に活かすために必要な
「エモーション(感情)・マネージメント」という視点をミックスし、
より実践的に本物の品質・価値が評価され、
経営的にも成功されるコンサルティング体系の実現を目指しています。

また、実際に高い品質をもって成功された先生方も多々いらっしゃいますが、
一つの反省点として感じたことも追記しておきます。
それは、「経営的に成功したものが正しいとは限らない。
また、経営的に成功したものが必ずしも幸せであるとは限らない」ということ。

もちろん、全ての企業を含め、医業においても
適正な活動によって業績を上げることは大切なことです。
しかるべき利益を上げることによって、新たな投資が生まれ、
エンドの患者さんへの医療品質が向上する。
もちろん、そこに携わる方々の生活の質(QOL)が向上することも然りです。

しかし、たとえば歯科医院において年間売上1億円以上を達成している先生方であっても
「常に何かの不安と闘いながら日々の生活を送っているように見える人」
「急激な売上増を実現したものの、拡大志向による急激な固定経費の上昇により
売上減のリスクと常に隣り合わせになってしまっている方」
など、必ずしも売上と幸福感が比例していない方は少なからずおられます。

単純に「売上の向上=幸せ」と考えて行動してはいけないのはなぜでしょうか。
次回はその理由についてお話しします。

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