幸せに成長する歯科・医療経営の種と仕掛け~戦略思考と人間心理(感情理解)の実践的融合~

2018年8月1日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-16

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。
前回は、スタッフ一人一人の表情・仕草・態度・雰囲気、とりわけ「服装・身なり」が
初診の患者さんが抱くクリニックの印象を左右することをお話ししました。
今回はその根拠として、人間の脳の機能についてご説明しましょう。

 【2. 人の印象を形成する3つの時間的区分】

人間の脳は、左脳と右脳に分かれ、機能と情報処理スピードがそれぞれ異なります。
左脳は「言語脳」といわれ、論理的な思考や分析を得意とし、
右脳は「イメージ脳」といわれ、空間の認知や五感での認知、臓器の活動など
生命維持に必要な機能を提供しています。

左脳が情報を処理することができる速度は、人が会話をするスピードが限度であり、
「低速脳」といわれています。
一方で、右脳が情報を処理する速度は、目から入った光の情報が
すぐさま「見える」という画像の状態にまで処理されていることからもわかるように
「超高速のハイスピード脳」といわれています。

したがって、人間は初めて見たものについては、すべての情報を同時に解釈するのではなく、
 ■はじめの 1秒 : 見た目の「視覚情報」を即座に右脳が処理
 ■つぎの 30秒 : 聞こえる音、音楽、声の印象等の「聴覚情報」を右脳が処理
 ■そして  3分 : 得られる文字や会話などの「言語情報」を左脳が処理
といった、時間差のある情報処理の方法を行っているのです。

コンピューターに詳しい方はご存じかもしれませんが、容量としては、
 文字情報 → 音の情報 → 画像の情報
という順で、情報量が多くなります。

すなわち、視覚から得られる情報量は、頭(左脳)では意識していないとしても、
しっかりと無意識(右脳での処理)としてインプットされ、その経験全体から
得られた情報の大半を占めるということが考えられるのです。

脳の仕組みからして、視覚情報が印象として残る大半を占めるのは、
当然のことといえるのかもしれません。
上の区分は、あくまで単純な初対面での第一印象について、情報処理の流れを示したものです。
しかし、この初対面での視覚情報から判断された印象は、その後しばらく強烈に保持されます。
したがって、先ほど述べた「最低限、嫌われない(悪い印象を抱かせない)」
という視点での配慮が、患者さんとの関係性を左右するのです。

また、人が頭の中である種の「印象(イメージ)」をつくる上で、時間差があるということは、
「視覚情報だけをコントロールしているだけでは不十分」であることを物語っています。
なぜなら、視覚情報が十分に処理された後に、その印象を固めていくのが、
そのあとに続く聴覚情報・言語情報に他ならないからです。

さらに、内装・外装といったハード面は
「画像」のような静止した視覚イメージとして固定化され、同じ印象が保持されがちですが、
「人の動作や態度、表情」など、刻一刻と変化する「動画」的な視覚情報は、
最初の印象を大きく変容させる条件になります。
そして、そのような視覚情報は、患者さんの右脳で「無意識」のうちにイメージを形成します。

これまでに延べた視覚情報の優位性から判断していただくと、
「人の動作や態度、表情といったコミュニケーション上の”行動”という見た目」
がいかに重要か、ご理解いただけるのではないかと思います。

次回は、こうした脳の働きを踏まえて、
初診の患者さんと信頼関係を築くための心理的手順についてお話します。
どうぞお楽しみに。