幸せに成長する歯科・医療経営の種と仕掛け~戦略思考と人間心理(感情理解)の実践的融合~

2019年07月01日

歯科・医療経営の喜びの種を育てる-27

皆さん、こんにちは。ジョイカレント・河原田喜義です。

今回から3回に分けて、
「なぜあなたの想いが届かないのか?~コミュニケーションのレベル合わせ~」
と題して、患者さんやスタッフとの意思疎通を円滑に行うためのポイントをテーマにお話します。
皆さんは患者さんへの治療説明、スタッフへの指導などを行う時に、
自分が言ったことを理解されていないと感じることはありませんか?
いかに良い治療方法や素晴らしい提案を投げかけてみても、
相手との「コミュニケーションのレベル」が合致していなければ、
あなたの想いは相手に届きません。
では、どうすれば相手に自分の想いを届けられるのか?
一緒に考えていきましょう。

【1.思考のレベルを把握する】

人が自分に関する何かを話す時、物事を考える時、
頭の中には「ある種の階層構造」が作られています。
たとえば、スタッフさんが仕事の話をする場合、

・ 私は、○○歯科医院で働いている
・ 私は、歯科治療の介助をしている
・ 私は、SRPをうまく行うことができる
・ 私は、患者さんに気持ち良く治療に通って頂くことが大切だと思っている
・ 私は、みんなの笑顔を守る歯科衛生士である

という言葉が出たとします。

じっくり考えていただくと、各々の発言は、取り扱っているテーマが異なることが
お分かりいただけると思います。
たとえば、「私は、○○歯科医院で働いている」という言葉は、
自分のいる場所、時間といった
”環境(いつ、どこで)”
といったテーマを意識の中心においています。

実は、人間が自分に関係する物事を考え、認識するとき、
脳は上に述べたような「テーマ」を順序立てて情報の整理を行い、
情報の認識、すなわち「自分なりの理解」を行っています。
しかし、人と人がコミュニケーションを取るときに、
お互いに意識している「テーマ」が異なっている、
または順番を飛び越えて理解させようとすることで、
コミュニケーションのギャップが生じるのです。

この「テーマ」と「順番」をコミュニケーションの中で意識的にコントロール
できれば、相手とのコミュニケーションギャップを減らすことが可能です。

[思考のレベルと順番]

レベル1.環境    : いつ・どこで? ・・・ WHERE・WHEN
レベル2.行動    : なにを?    ・・・ WHAT
レベル3.能力    : どのように?  ・・・ HOW
レベル4.信念・価値観: なぜ?     ・・・ WHY
レベル5.自己認識  : だれか?    ・・・ WHO(アイデンティティ)
※ レベル1が下位レベル ⇒ レベル5が上位レベル
※ レベル1に近いほど「客観的(現象的・事実的)」であり、
  レベル5に近いほど「主観的(自分の内面・本質的)」な内容になります。

[先ほどの例の流れ]

環境(五感・機会・状況) : 私は、○○歯科医院で働いている
行動(行為・振る舞い)  : 私は、歯科治療の介助をしている
能力(素質・方向性)   : 私は、SRPをうまく行うことができる
信念・価値観(動機・許可): 私は、患者さんに気持ち良く治療に通って頂くことが大切だと思っている
自己認識(使命・役割)  : 私は、みんなの笑顔を守る歯科衛生士である

上位のレベルの変化は下位のレベルに影響し、必ず何らかの変化を起こします。
逆に下位のレベルの変化は、上位のレベルに影響を与えることもあるかもしれませんが、
必ずしもそうなるとは限りません。
しかし、実際のコミュニケーションの現場においては、各々のテーマ全てを包含して
会話がなされることは少なく、自分も、相手も、どれか1つのテーマに焦点を当てて
話をしていることがほとんどです。
自分が話をしているテーマ(階層レベル)と
相手が話をしているテーマ(階層レベル)が違う場合、なんとなくお互いに
納得できない内容の会話が繰り広げられ、後味の悪いものになってしまいます。

院長先生が、
「もっと患者さんに喜んでもらえる医院にしたい!」
とスタッフさんに熱っぽく語っていても、
「ちゃんと患者さんに挨拶もしているし説明もしているから、できていると思いますよ。」
と淡々と返され、悲しそうにされている光景を目にすることがあります。

これはまさに、
院長先生が”自己認識”のレベルで語っているのに、
スタッフさんが”行動”のレベルで語っているため
コミュニケーションレベルのギャップが生じる典型的な例になります。

次回は、コミュニケーションのレベルの合わせ方について、
お話したいと思います。
どうぞお楽しみに。

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